介護保険サービスの種類~施設サービス・地域密着型サービス~
介護保険について多くの方に知って頂くために、弊社のホームページでは「介護保険とは?」について複数回にわたり記事を記載しています。
今回の内容
①介護保険の保険給付
②施設サービス
③地域密着型介護サービス
①介護保険の保険給付
介護保険においてサービスの提供を受ける事を「給付」と言い、「介護給付」「予防給付」「市町村特別給付」の三種類があります。
この後の説明では「要介護・要支援」と言う言葉を使いますが、ご存知でない方には「要介護・要支援について」は以前に投稿している記事をご覧ください。
『介護保険の被保険者と介護認定』
https://www.occasione.co.jp/2022-3-15/
【介護給付】
介護認定で要介護だった方に向けた給付です。
【予防給付】
介護認定で要支援だった方に向けた給付です。下記の図の通り、大きな特徴として施設サービスはありません。
【市町村特別給付】
要介護または要支援者に対して、市町村が条例により独自に定める保険給付です。
『介護保険制度の概要、厚生労働省老健局、2021年(下記URL)』
https://www.mhlw.go.jp/content/000801559.pdf
弊社のホームページの記事では「介護給付」「予防給付」に該当するサービスを紹介します。
また上記の図をよくみるとわかると思いますが、介護給付のサービス名に予防とついたのが予防給付のサービス名となっています。
下記からの各サービスの内容説明の際は介護給付の名前を用いて行います。
②施設サービス
【介護老人福祉施設】
特別養護老人ホームの事で、施設に入所して生活します。
施設内での生活に対して介護を受けます。
利用できるのは原則、要介護3以上です。
また介護老人福祉施設には従来型とユニット型があります。
ユニットは居室と近接した共同生活室によって一体的に構成される空間を指し、1つのユニットの定員はおおむね10人以下です。
【介護老人保健施設】
施設入所ではありますが、退院後に在宅復帰するまでの中間施設の位置付けとしてリハビリテーションにも積極的に取り組みます。
また今回の記事とは少し話が変わりますが、介護老人保健施設は許認可を申請すれば、居宅サービスである訪問リハビリテーションと通所リハビリテーションのサービスが行えます。
【介護療養型医療施設】
医療を提供する介護保険適用の施設という位置付けです。介護保険の療養病床ということですね。
【介護医療院】
2018年に創設されたサービスです。
医療ニーズの高い方が入所します。
今後は上記の介護療養型医療施設から転換されていく流れです。
③地域密着型介護サービス
地域密着型サービスは、市町村が指定・監督を行っているサービスの事を言います。
(今まで説明していた居宅サービス・施設サービスは都道府県が指定・監督)
【定期巡回・随時対応型訪問介護看護】
訪問看護と訪問介護が連携しているサービスです。
一つの事業所で訪問看護と訪問介護がある「一体型」と訪問看護と訪問介護の事業所が連携する「連携型」があります。
サービスの種類としては「①定期巡回サービス⓶随時対応サービス③随時訪問サービス④訪問看護サービス」があります。
「一体型」は①~④まで、「連携型」は①~③までのサービスを提供します。
【地域密着型通所介護】
定員数が19人未満の小規模の通所介護(デイサービス)で食事や入浴などの日常生活上の支援や機能訓練を受ける事ができます。
また引きこもりがちな方に対するアプローチにもなります。
【夜間対応型訪問介護】
夜間に定期的な訪問または連絡により訪問介護職員が自宅へ伺います。
サービスの提供時間は各事業所で設定しますが、「最低限22時から翌朝6時までの間は含む」とされています。
定期巡回サービス、オペレーションセンターサービス、随時訪問サービスを一括して提供します。
【認知症対応型通所介護】
認知症である利用者様を対象として、必要な日常生活上の世話・機能訓練を行う事に通所介護です。
利用者様の社会的孤立感の解消・心身機能の維持、ご家族の身体的・精神的負担の軽減を図ります。
種類としては他の施設と併設していない単独型、併設している併設型、グループホームなど指定施設の食堂の様な共同生活室で行う共用型があります。
【小規模多機能型居宅介護】
通いを中心に、訪問や宿泊を組み合わせてサービスを提供します。
利用するには事業所に登録が必要ですが、登録できるのは1ヶ所の事業所のみで、複数の事業所の登録は行えません。
【認知症対応型共同生活介護(グループホーム)】
認知症のある利用者様に対して、共同生活住居において、家庭的な環境と地域住民との交流の下で、入浴、排せつ、食事等の生活上の世話、機能訓練を行います。
【地域密着型特定施設入居者生活介護】
定員29人以下の有料老人ホーム、養護老人ホーム、経費老人ホームの入所者に対して、入居されている方に食事や入浴、掃除や洗濯などの介護を行います。
【地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護】
定員29人以下の特別養護老人ホームの入居者に対して、入居されている方に食事や入浴、掃除や洗濯などの介護を行います。
このサービスにも従来型とユニット型があります。
【複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)】
訪問看護と小規模多機能型居宅介護の特徴を合わせて、医療ニーズの高い方への支援します。
通い・宿泊・訪問など柔軟に対応でき、複合型サービスとも呼ばれます。
今回のまとめ
今回は『介護保険サービスの種類~施設サービス・地域密着型サービス~』について説明しました。
重要な点としては「介護保険の給付には介護給付・予防給付・市町村特別給付がある」と「施設サービスは介護給付のみ」と「居宅サービス・施設サービスは都道府県、地域密着型サービスは市町村が指定・監督」という事です。
サービスを提供する側、サービスを受ける側、保険料を納付する側など様々な方々が支えあい、出来うる限り自立したより良い生活を送れるように介護保険制度は大切な制度だと思います。
参考文献
『介護保険制度の概要、厚生労働省老健局、2021年(下記URL)』
https://www.mhlw.go.jp/content/000801559.pdf
『介護医療院の概要、厚生労働省(下記URL)』
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/kaigoiryoingaiyou.pdf
『どんなサービスがあるの? 地域密着型通所介護、厚生労働省(下記URL)』
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group25.html
『ケアマネジャー試験対策研究会 著、福祉教科書 ケアマネジャー完全合格テキスト 2017年版、翔泳社、2016年』
『介護保険とは?』に関する他の記事
『介護保険の概要~設立の経緯と主たる目的~』
https://www.occasione.co.jp/2022-3-8/
『介護保険の被保険者と介護認定』
https://www.occasione.co.jp/2022-3-15/
『介護保険サービスを受けるまでの流れ』
https://www.occasione.co.jp/2022-3-22/
『介護保険サービスの種類~居宅サービス~』
https://www.occasione.co.jp/2022-3-29/
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